当社では、社会貢献事業として、不耕作地を市民農園として活用する取り組みを行っています。

当社が市民農園に取り組む理由

『不耕作地を地域のために活用できないか』という想いから市民農園の取り組みを始めました。

当社代表が監査法人に勤めていた頃、自治体の包括外部監査という仕事に携わりました。

包括外部監査では自治体の「事業」について監査を行います。
「事業」とは、「子育て応援のために一定所得水準以下の世帯に低金利で貸し付けを行う」などのように自治体が行っている取り組みを指します。

この「事業」が有効に行われているかなどの視点でチェックしていくのが包括外部監査です。

当社代表はこの仕事を通じて、自治体ができる取り組みには限界があり、市民自身が取り組むべき課題があることを認識しました。

自治体は補助金などを整備し、市民の取り組みを応援してくれます。
しかし、地域が抱える全ての課題に対して補助金を出せるわけではありません。
そのため、自治体がカバーできない部分は、市民が立ち上がり課題を解決していく必要があります。

もともと当社代表が農業課題に関心があり、耕作放棄地や不耕作地の存在を知っていたため、これこそ『自治体がカバーできず、市民が解決していく必要がある課題ではないか』と考えました。
このことがきっかけとなり、社会貢献事業として不耕作地を市民農園にする取り組みを開始しました。

市民農園の仕組み
  • 農地所有者の方に賃料をお支払い
  • 当社が農地を市民農園として整備及び運用

当社の目標は、地域の方々が自然と触れ合う喜び、人との交流を楽しめる心温かな市民農園をつくることです。

農地所有者の方へ

不耕作地をお持ちの方、農地の売却や賃貸をお考えの方は、市民農園としての活用をご検討ください。

ご興味がある方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。当社担当が訪問し、詳細をご説明いたします。

農地をお借りする方法
  1. 公益財団法人福岡県農業推進機構または地方公共団体を経由
  2. 農地所有者の方から直接お借りする形式

※令和7年6月1日以降は「農地中間管理機構を介した農地貸借(中間管理事業)」に一本化されます。

当社の基本方針
  • 使われていない農地の活用
  • 農地所有者の方の意向尊重(売却希望への対応)
  • 地域社会への貢献

当社では「使われていない農地を活用する」という方針を掲げています。農地所有者様の中には、将来的に農地の売却を希望される方もいらっしゃると思います。仮に、当社の賃借期間中に他者への売却が決定した場合は、市民農園としての利用を中断させていただきます。あくまでも、使われていない農地を活用させていただくことが、当社の基本方針です。

農地をお借りする2つの形式
  1. 公益財団法人福岡県農業推進機構または地方公共団体を経由
  2. 農地所有者の方から直接お借りする形式

※令和7年6月1日以降は「農地中間管理機構を介した農地貸借(中間管理事業)」に一本化されます。

代表からのご挨拶

代表の野瀬と申します。
私は土いじりをしたり、種をまいて育てて食べたりなど、自然との遊びが好きな人間です。
そんな私は『自然』には実生活を豊かにしてくれる力があると信じています。

私は子どものころ団地に住んでいました。
団地には小さな畑があり、そこに住む人たちが自由に野菜を育てていました。

小学生の頃、その畑にスイカの種を植えたのを覚えています。
植えたといっても、家で食べたスイカの種を口いっぱいに入れて、そのまま畑に行き、口から吐き出して土をかけただけです。
「種を植える」というよりも「種を埋める」に近かったと思います。

ですが、そこからスイカの芽が出て、育っていきました。
畑の後方にあったフェンスにまでスイカのツルが這い、フェンスにツルが絡まった状態で小さいスイカが成ったのを覚えています。
結局、スイカはカラスに食べられましたが『スイカの種を土に埋めたらスイカができた!』という感動を今でも覚えています。

大人になって社会人として働き出したとき、ふと、また野菜を作りたいなと思うことがありました。
その頃はアパートに住んでいたので庭がありませんでした。
ベランダでプランターで育てようかとも思ったのですが、日当たりもあまりよくないところでした。
そんな時、近所で「市民農園」という看板を見つけ、そこで家庭菜園を始めました。

初めに植えたのは、ジャガイモと大根。
野菜作りの知識は趣味程度しかありませんでしたが、それでも、たくさん収穫することができました。

スーパーに売ってある大根は葉の部分が取り除かれていますが、畑で取れた大根には小さい毛でおおわれた深い緑色の大きな葉っぱがついています。
葉っぱは捨てず、ごま油と醤油で炒め、それに白ゴマをふってご飯のおともにしました。
買ってきた大根に葉っぱがついていてもあまり食べようと思いませんが、自分が育てた大根の葉っぱは捨てがたく、食べようという気になります。
なにより、自分で育てて食べるものはすごくおいしく感じますし、嬉しさがあります。

野菜作りには自分で育てて食べるというおもしろさがありますが、それ以外にも人と人とのつながりを豊かにしてくれる力があるように思います。
家庭菜園をやっていると不思議なもので、育てた野菜を誰かにプレゼントしたくなるんです。
実際にプレゼントすると喜んでいただけますし、それがきっかけで立ち話になり、前より親しくなったりします。
『自然』というのは、そういった喜びや心の豊かさを生み出してくれる力があると思っています。

一方で日本の農業には様々な課題があり、その影響を受けている方々がいます。
高齢化や後継者不足により農業継続が難しい状況となっている農家の方、相続により遠方の農地を取得し維持管理に苦慮されている方、不耕作地の害虫獣害の被害を受けている方、家庭菜園を楽しみたいが近隣に市民農園がない方などです。

私は、きちんとした経営のもとに市民農園に取り組めば、これらの課題解決に貢献できると考えています。
同時に、その経営自体が『みんな』を『Happy』にするものでなければならないと考えています。

農地を貸していただける方にはきちんと賃料をお支払いする。
市民農園の近隣で営農・生活を営まれている方に迷惑をかけるのではなく、市民農園を通してその地域の防犯に貢献したり、地域の雰囲気を温かくしたり、市民農園が在ることで何らかの喜びを受けられるようにする。
市民農園を通して家庭菜園を楽しみたいと思う方々に自然の楽しみを届ける。
などです。

市民農園を利用する人のように「直接的」に市民農園に関わる方もいれば、市民農園の近隣住民の方のように「間接的」に関わる方もいらっしゃいます。
直接的・間接的を問わず、「市民農園」に関わる「みんな」が「Happy」でなければいけないと思うのです。

「みんな」が「Happy」になれる仕組み。
それが、私の中での「ビジネス」の定義です。

先にあげたような「課題」をボランティアや補助制度で解決する方法もあると思いますが、人的・金銭的な財源に限りがある状況では課題解決が難しいのではないかと考えています。
もちろん、ボランティアや補助金で解決するという方法を否定すべきではなく、社会としてなくてはならないものです。
ですが、財源に限りがあるという状況では物事の解決の障害になる可能性があります。

私たちの生活を豊かにしてくれている自動車やスマートフォンなどが「ビジネス」の中から生み出され、今でも在り続けているのは、ビジネスとしてきちんと回っているからだと思います。

そうであるならば、農業の課題も同じく「ビジネス」の力で解決する必要があると考えています。
そして何より、そのビジネス自体が「みんな」を「Happy」にするものでなければいけないというのが私の考えです。

市民農園は多くの方と関わりが出てくるものです。
その関わりがある人たち「みんな」を市民農園を通して「Happy」にしたいと願っています。

経営とビジネスの力で、世の中の「課題」を反転させて「Happy」にする。
これが、私が目指しているものであり、私の『社会貢献活動』の定義です。

長くなりましたが、最後にもう少しだけ。
市民農園についての話をさせてください。

昔、私が借りていた市民農園にはたくさんの利用者がいました。
様々な年代の方がいましたが、多くは年配の方でした。
中にはご夫婦で来られている方もいらっしゃり、私の隣の区画で借りていた方が、まさに、ご夫婦で市民農園に来られている方でした。

旦那さんの方と立ち話しをしていると、ご夫婦で来られるようになった経緯を教えてもらいました。
はじめは旦那さん一人で来ていたそうなのですが、奥さんの方がついてくるようになり、結局、奥さんの方も野菜作りにハマってしまい一緒に畑に来ているとのこと。
話しているうちに仲良くなり、最後には、大きなカボチャをいただきました。
「こんなに大きいかぼちゃいいんですか!?」と聞きましたが「たくさん獲れすぎて近所の人にも配っているところで、是非食べてください」とのことで、有難く頂きました。
結局、その方からはもみ殻燻炭まで頂きました。

その方たちを見ていると、年を重ねても夫婦で一緒に畑に来ているところが微笑ましかったですし、私自身、世代を超えて同じ趣味(野菜作り)を通して、自然に話せることが楽しかったです。
第二の遊び場ができたような感じでした。

思い返すと、子どものころは友達と外で遊んで仲良くなっていました。
鬼ごっこをしたりスポーツをしたり、外で体を動かして遊ぶことで友達が増え、その仲が深まっていった気がします。

外で遊ぶというのは、つまるところ「自然の中で遊ぶ」ということです。
自然を通して人と何かすることで心通うといいますか、より豊かな人生につながると思うのです。
「市民農園」は結局のところ「自然の遊び場」です。
個人的な偏見かもしれませんが、今の都心や町には「自然の遊び場」が少ないような気がしています。
市民農園という取り組みが少しでも自然の遊び場を増やして、人と人がが仲良くなれる場になればと願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。